移住前も、移住後も。宮崎市移住センター

カフェチョムチョム 小鶴 恵美さん・哲也さん 福岡からJターン

とにかく宮崎に帰れることが嬉しかった

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宮崎県日向市を20代前半に離れ、福岡で25年暮らしました。宮崎で過ごした年数よりも長く暮らした福岡は、住み心地もよい便利な街でした。主人は福岡出身、福岡育ちですが、お母さんが宮崎の方で、学生時代に宮崎に遊びに行くこともあったようです。私が「宮崎に帰りたい」と伝えたとき賛成してくれたのは、宮崎に馴染みがあったのもあると思います。心地よく便利な福岡を離れ、夫婦で人生後半を宮崎で過ごそう!と決めたときは、なんだか本当に嬉しかったんです。

「僕が君の料理の一番のファンなんだ!」という旦那の言葉が後押しに

いざ宮崎に帰るとなった際に、私は40代後半で旦那は60代という年齢などを考えて、どこかに雇ってもらうというのは考えていませんでした。何か自分たちで立ち上げたいと思っていました。

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私は、昔から料理をすることが大好きだったんです。特にアジア圏の料理が好きで、飲食店に勤め、タイ料理や沖縄料理をよく作ってました。しかし、ベトナム料理に出会ったとき「私が作りたいのはこれだ」って思ったんです。ベトナムは東南アジアにある国ですが、フランス植民地であった歴史もあるためか、建築物にはヨーロッパの雰囲気も漂い、とても雰囲気の良いところです。食べ物はエスニックなイメージも強いですが、実は辛いものはほとんどなく、中国とフランス二つの国の食文化をうまくミックスした独自の食文化なんです。

野菜をふんだんに使い、油は控えめなので女性もうれしいヘルシーな料理です。ベトナム料理を多くの方に楽しんで欲しいと思いました。旦那の「僕が君の料理の一番のファンなんだ!」という言葉も後押ししてくれましたね。

素晴らしい素材が溢れる、宮崎市

料理は、素材がとても大事です。福岡にも良い素材やこだわって作っている野菜や肉はあるのですが、個人店で手に入れるのは少し難しいように思います。それに、手に入れたとしても、コスト的に気軽に食べることができる価格で提供することが難しくなる。その点、宮崎は素晴らしい土地です。いい素材、こだわって作られている素材がたくさんあり、比較的容易に手に入れることができます。元々、宮崎市に知り合いがいたわけでもないですし、そんな情報をくれる知り合いがいたわけでもないです。でも、自分たちで、そして知り合った方たちからの繋がりで、いい素材を使える状況になりました。「宮崎の方たちに、美味しいベトナム料理を食べていただきたい!」その一心でお店をオープンしました。

宮崎にずっとお住まいになっている方たちは、きっと気付きにくいことだと思いますが、豊かな食は、精神的にも豊かにしてくれます。食べることは生きること。切り離すことができません。宮崎は、素晴らしい素材で作る料理を毎日食べることができる。とても恵まれた環境ですよね。

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それに、美しい花々が安価で手に入ります。私はお店にお花を飾るんですが、美しい花たちを愛でながら仕込みをしていると、とても幸せな気分になれるんです。また、福岡出身の主人が「宮崎の太陽は優しい」っていうんです。光線は強くて暑いはずなのに、太陽が優しく感じるようです。不思議ですよね。

そして、空が青くて綺麗。そんな土地で育った素材は、最高に美味しいものが揃ってます。その素材を美味しいベトナム料理として提供しています。宮崎「初」のベトナム料理店なので、現地に忠実な味を再現したいと考えていつも料理をしています。

今だからこそ「チャレンジ」

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この年齢になっての移住や飲食店のオープンは、チャレンジでした。でも、この年齢だからこそ「やりたいこと・好きなことで生きていきたい!」と思ったのです。もちろん成功もさせたい。お客様に対して、料理と提供するスペースで私のしたいことを表現したい、と思っています。お店がうまくいかなかったとしても、何でもして働きますよ!そのくらいの覚悟で、宮崎へ移住しました。宮崎に仕事がないわけではないんです。でも宮崎に来るのであれば、自分たちで仕事を作ることも1つの手段だと思っています。

車社会と宮崎の方の奥ゆかしさ

お店をオープンして1年が経ちましたが、宮崎だからこその悩みもあります。公共の交通の便があまりよくないことです。車社会の宮崎ですが、アルコールを飲むためには、他の交通手段を使わなければなりません。その手段が充実していないことは、アルコールを出す当店としても痛手です。

また、車社会だからこそしっかり考えるべきことが「自分たちの住むエリア」です。今は車の運転もできるのでいいのですが、将来免許証を返納したときのことを考えて決めなければならないと思っています。病院やスーパーが近いこと、バスなどの公共の乗り物の利用が少しでもしやすいことが大事になると思います。

あと、宮崎の県民性でしょうか、シャイな方が多いようにも思います。「楽しみたい!盛り上げたい!」と思っていても、自ら先頭に立ってやろうよ!という方は少ないように思います。少し様子をうかがって動く状況なんでしょうか。奥ゆかしくて、良いところでもあるのかもしれませんね。

盛り上がる宮崎市街地で、美味しい料理を楽しんで

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お店のある街中は、数年前に比べて少しずつ活気が出てきているように感じています。街中を盛り上げたいと頑張っている方たちが増えています。周りのお店と一緒になって活気あるまちなかにできればと思っています。

それに、宮崎には美味しいものをお求めの方が多いようにも感じています。食にこだわりのある方が来店いただけるようになってきて、すごく嬉しいです。私達は定期的に、実際にベトナムに行って、仕入れや現地の味を勉強しています。宮崎の方に、宮崎の本当に素晴らしい素材で作る料理を楽しんでいただきたいと心から思っています。

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プロフィール

小鶴 恵美さん(49歳) 哲也さん(60歳)。福岡からJターン。恵美さんは、宮崎県日向市出身。哲也さんは、福岡県出身。2017年に移住後、今だからこそできるチャレンジをしたいと考え、本格的な「ベトナム料理店」を立ち上げる。他県と比べ、宮崎の食材が素晴らしく、かつ最適なコストで得ることができる点に感動している。少しずつ活性化する宮崎市街地を盛り上げたいと考えている。

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