移住者の声

中学までは地元の宮崎県延岡市で育ち、宮崎市内の高校に進学しました。卒業後は京都の大学で物理工学を学び、学びを深めるために、就職ではなく、大学院進学を選んでエネルギー科学の研究を行いました。電気化学が専門なのですが、簡単にいうと電池やバッテリーによって生まれるエネルギーのような、化学の力で電気を起こしたり電気の力で化学反応を起こしたり、化学と電気の真ん中に当たる分野です。

大学院修了後は福岡の鉄道会社に技術系総合職として就職して、現場や本社企画部門で業務に携わっていました。在職中に2年間、会社の制度を利用して九州大学ビジネススクール(QBS)に通いました。技術についての知識は大学で得ていたのですが、QBSでは組織やお金のことなど、経営の仕組みについて勉強しました。技術をどのように経営や事業に結びつけていくかという、MOT(Management of Technology)の分野は自分の考えていたことに近く、ここでの経験は、宮崎Uターン後の職業を選んだきっかけともなっています。

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宮崎大学では、産学・地域連携センターという部署で、スタッフとして発明等届出の対応や出願・中間処理等の業務についた後、知的財産部門長として職務につきました。在職中に弁理士の資格を取得したことは、知的財産に「詳しい人」ではなく「専門家」として信用してもらうことに繋がり、採用当時は3年契約だったのですが、実際には約9年のキャリアになりました。

産学・地域連携センターで大学内の先生方とお仕事させていただく中で、希少疾病用医薬品の新薬開発に強く興味を持ち、現在は宮崎大学清武キャンパスの敷地内で、難治性炎症性腸疾患治療薬の開発研究を行う大学発ベンチャー企業の経営に携わっています。

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私たちの研究開発対象は、体の中にある生理活性ペプチドを使ったまったく新しい治療法なのですが、宮崎大学医学部附属病院の患者さんにご協力いただいた臨床研究の結果に、いい効果が表れているんです。難病なので治療に困っている患者さんがたくさんいらっしゃるのですが、そういった方々を助けられることはやりがいあることですし、地方の大学でこのようなチャンスはなかなか無いので、チャレンジするならここしかないと起業に踏み切りました。

薬は、人体に投与するので厳しい安全性が求められ、実際に人に投与できるまでの段階はとても厳しいんです。これから、安全性と有効性の検証を積み重ね る必要があります。幸いなことに、当社の開発品に関しては世界の第一人者の 先生が宮崎大学で研究をされています。その先生を中心として研究開発の連携 を行いつつ、新薬開発のための環境整備をするのが私の役割です。決して楽で はありませんが、薬ができることで救われる人のことを思うと、時間と開発費 用はかかりますが、着実に開発を進めていこうと考えています。

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会社設立から日も浅くやるべきことが多いので、休暇はあまり無いのですが、時間があれば気分転換にドライブに行きます。天気のいい日にルーフトップを開けて、海沿いの真っ青な空の下を走るのが好きです。車が大好きな自分にとって宮崎は最高ですね。

ひむかAMファーマ株式会社

 

プロフィール

1975年生まれ、宮崎県延岡市出身。高校卒業まで宮崎で過ごし、大学進学を機に京都へ。大学院修了後はJR九州へ入社。9年前に宮崎へUターン。宮崎大学産学・地域センターに勤務後、2017年2月にひむかAMファーマ株式会社を設立。現在は宮崎大学医学部の研究者と連携して難治性炎症性腸疾患治療薬の開発に努める。同社は、2017年4月24日、国立研究開発法人日本医療研究開発機構の平成29年度「創薬支援推進事業―希少疾病用医薬品指定前実用化支援事業―」に採択され(全国でわずか二社採択のうちの一社)、実用化に向けた開発に期待が寄せられている。

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