移住者対談 ~集う・繋がる MIYAZAKI LIFE~
2020.01.16
足立 和俊さん 足立 勇馬さん
- Iターン
- コミュニティ
- 起業
- 飲食
移住前だけでなく、移住後もサポート
宮崎市移住センターは、移住前だけでなく移住「後」のサポートも行っています。移住は、移住後がMIYAZAKI LIFEの始まり。どんな人と繋がり、生活を送るかによって、大きく楽しみ方が変わります。そこで、移住後の皆さんが出会える「宮崎スナック喫茶移住」や「ひるのみ移住」という移住後の方向けイベントを実施しています。参加した移住者を中心とした皆さんが繋がり、コミュニティを広げ、充実したMIYAZAKI LIFEを送っています。
今回は、そんなイベントの一つ「ひるのみ移住」で初対面した2人に話を伺いました。
彼らは互いに、移住後創業した者同士。偶然にも同じ名字。そして、創業の目的も「人々が集う場を作りたい」という同じ想いだったのです。互いをSNSで見ては気になっていたようですが、実際に会うことはなく宮崎市移住センター主催イベントで初めて出会います。
「繋がる場を作り続ける」二人が繋がった経緯、そして個々人の事業を楽しむ二人のMIYAZAKI LIFE。ぜひ最後までご覧ください。
プロフィール
足立 和俊さん (36歳)
愛知県出身。九州でビール造りをしたいと考え、醸造所の求人のあった宮崎へ2017年5月に移住。移住後訪問したシアトルのクラフトビールの醸造所の雰囲気が宮崎に似ていることに感銘を受け、宮崎でのオープンを目指すことに。「ローカル x アート x 醸造所」をキーワードに、2019年1月に「宮崎フェニックスブルーイング」をオープンした。オープン間もないが、県内外から多くのファンが集まる場所になっている。
足立 勇馬さん (26歳)
東京都青梅市出身。大学在学中に国内外へヒッチハイクの旅に出る。その際、たくさんの方に親切にしていただいた経験から、自分も迎え入れもてなす側になりたいと2015年に宮崎のホテルへ就職。その後、自分にだけできることはないかと「移動シアター館長」としての活動を始める。一度東京に戻るが、2018年に再度宮崎市へ移住。
−宮崎を拠点に選ぶ理由は?
勇馬さん「私は全国から仕事の依頼があります。なので、県外にいることが多いんですが、今は宮崎に拠点を置きたいと思っています。宮崎が好きなんです。海や空の色、障害物なく広がる水平線にはいつも感動しています。宮崎の人の近すぎず遠すぎない、精神的な距離感も心地良いんですよね。
食も魅力の一つ。道の駅や地元の直売所なんて、私にとっては遊園地のようにワクワクする場所です。都内では見ない食材もありますし、季節を感じることができますよね。”せせり”はあまり見たことがなかった一つの食材です!塩コショウで炒めるだけでめちゃくちゃ美味しいんですよね。」
和俊さん『クラフトビール文化が強く根付いているシアトルに雰囲気が似ているというのが大きいです。宮崎の人は、人間らしい生活をしていて、日常に良いゆるさがある。木曜日くらいになると、週末モードになってたり(笑)。気候も人の雰囲気も穏やかで温かい。移住者に対してもウェルカムな雰囲気で出迎えてくれますよね。クラフトビール文化はまだ根付いていないですが、きっとここなら出来るって思いました。
ただホップや麦が生産されていないので、実は入手するのには高くなってしまいます。でも一方で、様々な食材やフルーツが溢れている。それらを活用することで、豊富なバリエーションのユニークなクラフトビールを提供できると考えました。』
−宮崎への移住や創業、気をつけることは?
勇馬さん「移住で最も大事なのは、こちらが心を開くことだと思います。近所の方への挨拶や積極的なコミュニケーションを心がけていますね。あとは、インターネットではなくて、現地の人にリアルな情報を直接聞くことも大事にしています。
よく耳にする “移住者同士”とか”地元の人”っていうカテゴリー。こういったくくりでコミュニティを遮断するのはあまり好きではありません。みんな人対人。きちんとコミュニケーションをとれば通じ合えると思います。」
和俊さん『創業についても、挨拶や人との繋がりがすごく大事だと思いますね。隣の店舗の方への挨拶や、店舗前を通った方への挨拶はかかせません。コミュニティもコンパクトで、大抵の人が知り合いの知り合いだったりするので、1人1人を大事に対応することで良い噂はじわじわと広がっていきますし、逆もしかりです。その分、恋愛はし辛いかもしれないですね(笑)。
また、私の事業は、元々文化が根付いていないものを新しく作り出していくもの。じわじわと根付かせるために、時間がかかることは覚悟しています。宮崎のナイトライフには“スナック文化”がある。2500〜3000円で飲み放題という店舗が当たり前の中で、1杯500円というのはまだまだ抵抗があるようです。こういった感覚の違いも、把握しておく必要があると思います。』
−人口の少ない宮崎での「集客」どうしてる?
勇馬さん「私は、個人のSNSで自分が宮崎を心から楽しんでる様子を積極的に発信するようにしています。まちなかでイベントがあるときには、どんどん顔を出していくようにしたことで、自然に知り合いや仲間が増えていきました。集客もそれに伴って容易になっていきました。
また、和俊さんもですが、事業立ち上げの際には“クラウドファンディング”を活用しましたよ。」
和俊さん『宮崎って、Facebookの利用率が他県より高いように感じてます。Facebookの利用は大事なんじゃないでしょうか。あとは、すでに地元で活躍している飲食店を経営されている方と繋がることも大事ですね。
定期的に小さくてもいいのでイベントを開催し、いつも何か楽しそうなことをやっている場所だって認知してもらうことで、じわじわと多くの方が集う場所になっていくんじゃないでしょうか。』
−今後の目標は?
勇馬さん「あくまでも、映画は一つのファクターで、人が集まる場になれば、映画である必要性はないんです。映画の関連フードや歌手の方、お酒を提供して、それを目当てだとしてもそれでいい。人と人、人と地域の、出逢いのきっかけになればと思っています。
結果的に、新しい地域の魅力発見にも繋がると思っています。例えば、あのスポットに行ってみたいけどちょっとハードルが高い…って思われてた場所でイベントしたことがあって。すごく魅力的な場所なんだけど、確かに閉鎖的な雰囲気を感じさせる部分もあったんです。でも、私が映画っていうきっかけを作ったことで、たくさんのはじめての人達が訪れてくれた。そして、その場の魅力を知り、その後何度も訪れてくれている。そんな繋がりが生まれたんです。
これからも、そういった県外出身だからこそ気づける、宮崎の地域の魅力を再発見できる場を提供していきたい。事業としてはもちろん、個人のSNSを使っても発信し続けたいですね。もしかしたら今後、宮崎を離れることも出てくるかもしれない。だけどそれでもまた宮崎に帰って来たい。そう強く思える魅力が、宮崎には溢れていますから。」
和俊さん『これからもっともっとワクワクする醸造所にしていきたいです。宮崎オリジナルのビアフェスもしたいですね。もっともっとまちなかに人が溢れて欲しい。大型ショッピングモールももちろん魅力的。だけど、自分たちが作り上げるまちなかは、もっと面白いって思って欲しいです!
美味しいビールを作って日本一って言える賞も取りたい。きっともっと国内のみならず海外からも来客が増えるはずです。今もうすでに縁がつながって、少しずつクラフトビールファンの海外のお客様も増えているんですよ。
ビール好きな人だけが集まるのではなくて、ペットや子どもたち、赤ちゃん連れでも、様々な人が生活の一部として集える場所を作りたいんです。クラフトビールと野外で映画なんて最高ですよね!ぜひ勇馬くんと実現したいです。』